二日酔い気味の朝を迎えて、宿をまた一泊延長した。
パーイという街をとても気に入っている。ここで飽きるまで過ごしてからまた旅に出ればよいのだ。
気のゆくままに、行きたい方へ、行きたい時に・・・。
だけど、夕食でいつも通りナイトマーケット内のレストランに入ってカメラの電源を入れたとき。
昨日のツアーで撮った写真を見返したとき。
今すぐにでもパーイを出ようと思った。
特にどこへ行って何をするということもないのだけど、一度チェンマイに戻ってそこから考えよう。
夏が、ちりちりと胸の奥でくすぶり続けているような気がした。
翌日のチェンマイ行きのチケットを、その足で買いに行った。
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パーイ出発は結局、ミニバンの座席の都合で13時半となった。
チェンマイから来た道と同じく、760以上ものカーブを越えていく。速度も出ない上に行ったり来たりでなかなか進まない道は、まるで自分の旅のようだと気がつくと一人苦笑する。
さっきまで雨が降っていたので、道路は濡れている。
いつかきっと、またこの道を来るのだろう。その時も何かをするわけではないのだと思う。
いつも通りぶらぶら散策をして。時々バイクを借りて少し遠くまで。夜はナイトマーケットの通りで済ます。その後はどこかバーに入って一杯やるのもいいだろう。
チェンマイの鉄道駅まで行ってくれるように頼んだ。翌日以降のどこかで、どこか他の街へと出るため。その下調べと必要ならチケットを買ってしまおうという算段だ。
いずれはバンコクへと戻るのだが、急ぐ旅でもあるまい。カーブさながらに回り道していけばよいのだ。
チケットカウンターで用を済ませば、またチェンマイ市内で美味いカオ・ソーイでも食べてやろうか。
「バンコク方面の時間と値段を教えて欲しい」
「・・・バンコクは5分後に出発だぞ!急げ!!」
半ば押し切られるような形で、チェンマイ発バンコク行の夜行列車へと飛び乗ってしまった。
さて、予定とは随分と変わってしまったなと思いながらも指定席へと乗り込む。
車内は少し古臭く、しかし、異様にワクワクさせるものだった。
悪くないじゃないかなどと呟きながらも、車窓からタイを見る。
そういえば、久しく寝台列車には乗っていない。
日本、中国、アゼルバイジャン・・・。記念すべき4カ国目の寝台列車である。
中国は上海-昆明で40時間という長丁場だったことを記憶しているし、アゼルバイジャンは首都バクーからグルジアの首都トビリシまでを結ぶ国際寝台だった。
タイの寝台はいかなるものかと期待せざるをえない。
乗り込んでからおよそ1時間半。乗務員が各席を回ってベッドを作っていく。慣れた手つきであっという間の作業だった。
横になってみる。おっ。これは上等!寝台といえば、ラオスで寝台バスに乗ったがあれはひどかったな・・・。
狭いし揺れるし、吐く人はいるしで。ベッドだって今回と同じほどのサイズに2人で寝っ転がっていたのだ。
ご機嫌なベッドで外を眺めたり、本を読んだりして過ごすうちに食事が運ばれてくる。
身を起こして、いくつかのセットから事前に選択していたものを受け取るとお腹が空いていたことに気が付いた。
カレーと酢豚のような炒め物、スープとライスがついてさらにバナナとカップケーキ。
値段は210THBと高めだけれど、駅弁のようなものなので是非にでも食べておきたかったのだ。
味はどれもうまいが、特に酢豚が気に入った。甘酸っぱい豚肉はとてもご飯に合う。ペロリ。
バナナとカップケーキは明日の朝ごはんにとっておこう。
食事を終えると、なんだか眠気がやってくる。いかんせん外を見るのも飽きたし、本を読むくらいしかやることがない。
鉄道には洗面所がついているので、歯を磨いて、トイレを済ませる。
ちなみに、トイレは線路に直接落ちるようになっている。というか、線路が見える。
さらにシャワーがついており、ここでシャワーが浴びれる粋な計らい。浴びる人はいるのだろうか・・・。
ふと目を覚ます。夜明けが近づいてきているとともに、バンコク終着駅にも近づいている。
もう1時間とかからずに到着するだろう。しかしバンコクの朝は早い。まだ日が昇る前だというのに、車は列をなしている。
街灯とヘッドライトが照らす街並みは、なんだか全く別の街にすら思えた。
そんな街に差す朝焼けは、格別に綺麗だった。
列車を降りて一休み。13時間の寝台列車は驚くほど疲れがない。
確かバスで同区間を移動する場合には600THBほどであったから、都合200THBを上乗せすればよい計算になる。
きっとバスだったなら、こうはいかないだろう、と思いながらも同時にちょっと贅沢をし過ぎたかなとも感じた。
ただいま、バンコク。
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12日目と合わせて、今日の支出は
・宿 :600BTH
・食事:400THB
日本円でおよそ3400円。xp換算(レート:1xp = 0.01948円)で174537.988xp
13日目終了時点・・・残額1020864.36xp
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移動手段も、その時々に応じて最適と思うものを選択するのがよいですね。
寝台列車は楽なだけでなく、風情があってとてもワクワクするものです。
ちなみに、時期によってはチェンマイ-バンコクは飛行機が2000円くらいで行けちゃいます・・・。
それでも列車を選んでよかったー!て思えるくらい、最高でしたけれどね。
※12日目の食事模様。
お昼のフライドライス。
米がべちゃべちゃでうまくなかった・・・。時々、このようなフライドライスに当たってしまいとてもテンションが下がる。
40THB。
パーイで食べたカオ・ソーイはほぼチェンマイと同じ。
ほろほろの鶏肉は相変わらず味が染みていて、カレースープは今思い出しても生唾が出てしまうほど。
一心不乱に麺をすすっているうちになくなってしまい、お代わりが欲しくなる。
タイで一番うまいのはカオ・ソーイかもしれない・・・。
50THB。
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